背景・目的
現在、グローバル化が進展する中、日本と中国は競争相手であると同時に極めて重要なパートナーです。特に近年では、研究開発活動及び教育分野における国際競争が激化しており、両国の教育交流、特に高等教育交流が今以上に求められています。
また両国それぞれが課題を抱えており、課題先進国である日本では、とりわけ私立学校をめぐる経営環境が大変厳しい状況にあります。一方中国では、受験戦争の激化により例えば「野鶏大学」と呼ばれるニセモノ大学の存在が指摘されており、学位がほしい中国の若者たちを取り巻く環境は厳しいものであると指摘せざるを得ません。他方で、中国において日本語教師争奪戦が過熱しているという事実が存在します。それは大学入試や日本への留学に備えて日本語を学ぶ高校生や大学生が増えていることが背景にあります。日本語教育の需要はここ数年で高まり、特に高校では日本語を学ぶ学生が著しく増えています。高考で外国語に日本語を選ぶ学生は2020年には13万人に達し、1万人に満たなかった2016年から毎年1.4~2.7倍のペースで急増中です。
目的
当社団法人は、一般社団法人日中留学生支援機構を発展させる形で事業継承を経て設立しました。これまでは両国の私立大学の建学理念や人材育成や経営方法などについて話し合う場として「日中私立大学学長シンポジウム」の開催などの活動をしてまいりましたが、上記で指摘をした日中で抱える様々な課題を解決していくために、当社団法人は教育・研究におけるノウハウを豊かに持つ日本の教育機関とバラエティーに富んだ特色ある中国の教育機関と協力して、両国の教育交流を推進し、様々な困難に直面する中国人留学生や日本人留学生・教師を支援することを目的として活動をアップデートしていきます。
また、国や大学・組織・立場などを超えて開かれた環境で交流や議論をし、自由に情報共有や意見発信ができる場を提供していくことを目的としています。